売却しようと考えている家が火事のあった家だった場合、満足な価格で売れるのか不安に感じると思います。
通常の相場より下がってしまうのはもちろんのこと、焼死者が出た場合には、大幅な値引きが必要になるケースもあります。
しかし、火事のあった家でも売買することは可能です。
それでは、そんな瑕疵物件の価格はどの程度下がるのか、告知義務などの注意点、売り方のコツを解説いたします。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら火事のあった家の売却価格はどのくらい下がるのか
火事のあった家の価格は、相場より2〜3割ほどさがるのが一般的です。
しかし、その火事によって起こった被害状況次第でも売却相場は大幅に変わってきます。
たとえばキッチンでボヤ騒ぎを起こして、リフォームでリカバリーできる程度の被害でしたら、ほとんどのケースは相場のまま売却が可能になります。
大きな火事によって家だけが倒壊した場合においても、更地として売りに出せば価格を落とすことなく売却が可能になります。
問題はその火事によって死者が出た場合です。
この場合だと心理的瑕疵に該当するため、事故物件として扱われることから価格は5割以上値下がりすることも否めません。
瑕疵(かし)とは
瑕疵とは物件に対する見えない欠点や欠落、過失を表す言葉です。
不動産業界でよく使われる瑕疵は大きく分けて3つ(心理的瑕疵、物理的瑕疵、環境的瑕疵)があげられます。
ここで言われている心理的瑕疵は、事故物件と言われることも多く、これから住む予定の方が心理的にここで生活したくないと思わせてしまうような物件のことを言います。
この心理的瑕疵に明確な定義はなく、買主自身がどう判断するかで変わってきます。
ご自身での判断が難しい場合は不動産会社の営業担当者に話を聞いて価格を決めていきましょう。
減額の相場の2~3割程度
家屋の一部が燃えた程度の火事の場合、相場は2〜3割減が一般的と言えます。
ただ、火事が起こった物件ということで、嫌がられてしまうのも事実としてあります。
火事のあった家の売却の際は、売主の価値ではなく買主の価値で左右されることも多く、買い手がつかなければ、必然的に値下がりせざるを得なくなります。
時間の経過や火事の規模、負傷者の有無などにおいても明確な基準がないのが心理的瑕疵です。
ただのボヤ騒ぎであっても嫌がる方もいれば、負傷者が出たとしても気にしない方もいるため、心理的瑕疵には明確なボーダーラインがはっきりとは決められていません。
決まりがないからと言って、火事があった事実を隠して売買するわけにはいきません。
それではその告知義務についてもご解説いたします。
火事のあった家を売却するときに告知義務はあるのか
心理的瑕疵物件は、告知義務を怠ると売買契約後に契約解除されたり、損害賠償請求されたりするリスクがあります。
告知をすることで不動産の減額をしなくてはいけなくなるため、できれば避けたいという気持ちもありますが、たとえボヤ程度であっても、無用なトラブルを避けるためには必ず告知しましょう。
告知した内容は書面に残す
不動産会社に仲介を依頼する場合は、売買契約書の前に配布する重要事項説明書にて、告知に関する内容を記載してもらえます。
口頭での説明も必要になりますが、書面に残しておくことで説明責任を果たしたということが証明できます。
告知しなくてはいけないケース
たとえば、火事発生後にリフォームをおこない火事の痕跡がなくなったとしても、告知は必ずおこないましょう。
火事が過去に起こったものだとしても、買主がその事実を知って嫌悪を感じた場合、損害賠償請求されるリスクがあるためです。
他に、敷地内で起こった物に関しても告知しておくべきといえるでしょう。
倉庫や車庫、母屋など、たとえ売買の対象である不動産と関係がない場所だとしても、買主にとってデメリットになる内容なのであれば告知が必要になります。
火事のあった事実を重くとらえるかどうかは買主の判断になるため、後になって損害賠償請求などされないためにも、誠意をもって売却に挑みましょう。
火事になった事実を伝えないとどうなる
告知義務を怠ると売買契約後に契約解除されたり、損害賠償を請求されたりする可能性があります。
また、告知義務を怠ることで、売主の契約不適合責任が追及されます。
売却した不動産に隠れた瑕疵が見つかった場合、買主は発見から1年間売主に対して損害賠償または契約解除の請求ができます。
売主の契約不適合責任は無過失責任のため、もし売主が瑕疵の内容を知らなかったとしても契約不適合責任は発生します。
ただし、契約不適合責任の1年間という期間は、個人間の取引なら特約で短縮することも可能です。
他にも、火事のあった家という事実を隠して売却した場合、買主から不法行為責任を追及される恐れもあります。
不法行為責任とは、故意または過失によって他人の権利を侵害したときに発生する責任のことを言い、これが発生した場合、売主は買主に損害を賠償しなくてはなりません。
この不法行為による損害賠償請求できる期間は損害および加害者を知ったときから、3年もしくは行為の時から20年です。
契約不適合責任は1~2年ですが、その後も不法行為責任を追及される可能性があるため、告知はしっかりとしておかなくてはなりません。
火事のあった家を売却するコツを解説
火事のあった家の価値は下がってしまいますが、告知義務をしないわけにはいきません。
それでは、告知をしたうえで少しでも価値を下げずに売るにはどうすれば良いのでしょうか。
火災保険で修繕
火事のあった家の物理的瑕疵をリフォームによって修繕できる範囲でしておきましょう。
火災保険は家を売却して、引き渡しが完了してしまうと効力がなくなってしまうため、売りに出す前に申請して適用しておくことをおすすめいたします。
修繕後はホームインスペクションを受けましょう
ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)によって、専門的な観点から住宅をチェックしてくれるものです。
第三者的な立場から家の劣化や欠落の状況をみてくれます。
必ずしなくてはいけないものではありませんが、ホームインスペクションをしておくことで、売主に報告書を提出でき安心材料のひとつとして取り扱えます。
内容によっては5〜12万円かかりますが、実施することで多少売りやすくなるといえるでしょう。
値下げを見越した価格で売り出す
火事のあった家と知られてしまうと、値下げ交渉されてしまうのがほとんどです。
それらを見込んで始めから高めに金額を設定しておき、値引きできることをアピールする方法もあります。
買主側としてもお得に家が買えたという気持ちになり、売主側も売りたい価格に近い値段で売買がしやすくなります。
建物を解体して更地や駐車場にする
火事によって大きな被害がなかった場合は、前述した方法も良いのですが、死者が出たなどの場合は建物を解体して売りに出す方法が賢明といえるでしょう。
建物がなくなるだけでも、買主の心理的抵抗は軽減されます。
土地のみを売る場合価格を下げることなく売りに出せるケースが多いのですが、事故後間もない場合は更地にしたとしても価格は戻りづらい傾向にあります。
時間をおいて売りに出すか、他の方法を考えましょう。
更地にする以外には駐車場にする方法もあります。
住宅として使われない駐車場は、瑕疵として気にしない買主もいるため、高値で売れる可能性もあります。
まとめ
当社では上記のような物件もお取り扱いしております。
火事のあった家を売りに出す際の告知義務や、売りに出すためのコツについて解説しました。
火事の規模によっても大きく変わる瑕疵の状況は、消防車が出動するほどだった場合ご近所にもすぐに噂が広まるといえるでしょう。
告知義務や価格に関しての判断が難しい場合は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。