いわくつきの土地の売却は、一般的な土地と比較して注意点が多くなるため、慎重に進めることが大切です。
注意点をご存じないまま売却を進めてしまうと、後からトラブルになるリスクがあるので気を付けましょう。
また、いわくつきの土地はマイナス要素があるため価格が下がりやすいといわれています。
そこでこの記事では、売却する際の注意点や売却の方法、価格への影響について解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちらいわくつきの土地を売却するときの価格相場について
土地を売却するときに気になるのは、いくらで売れるのかという点です。
いわくつきの土地は買主にとって好ましくない条件であり、一般的に価格相場は下がるといわれています。
具体的に価格がどの程度下がるのか、売却への影響について解説します。
いわくつきの土地の概要
まず、いわくつきの土地とは、どのような状況を指すのかを把握しておきましょう。
いわくつきの土地とは、過去に忌避感を抱く事件や事故が起こった土地のことを指し、「事故物件」「心理的瑕疵物件」「訳あり不動産」などと呼ばれています。
忌避感を抱く事件や事故とは、殺人事件や自殺などが含まれます。
孤独死や事故死も例外ではありませんが、人が亡くなってすぐに発見され適切な処理がされたか、長期間放置されたかなどにより、内容の重みは異なります。
たとえば、1人暮らしの高齢者の方が老衰で亡くなった場合、すぐに発見されたなら事故物件にならない可能性があるため、売却への影響は少ないでしょう。
しかし数週間、数か月と誰にも気づかれずに放置された場合はどうでしょうか。
放置されていた場合は、物件に汚れやにおいが残るなどで事故物件になるため、印象が悪くなり売れるまで時間がかかる可能性があります。
また、入居者が自殺した場合、その土地で首吊りをしたのか、他の土地に飛び降りて亡くなったかでは印象が異なります。
このように、いわくつきといっても内容はさまざまで、過去に発生した事象によって受け取り方が変わるということを把握しておきましょう。
いわくつきの土地の価格相場
いわくつきの土地を売却するときに、土地の価格は相場の2〜5割ほどになるといわれています。
ただし、いわくつきの内容によってはほとんど価格に影響しない場合があるので、ご自身の土地の状況をよく把握しておくことが大切です。
もし物件付きの土地を売却する際に、過去に起こった事件や事故によってできたしみや傷を発見した場合は、すみやかに清掃や修理をおこないましょう。
当時の様子が跡形もない状態であれば、気にしないという買主も一定数いらっしゃいます。
根気良く買主を探す必要はありますが、いわくつきの内容は人によって反応がさまざまなので、諦めずに売却活動をおこないましょう。
また、立地が都心で不動産需要が見込める土地であれば、いわくつきの土地でも価格に影響なく売却できる可能性があります。
一方で地方や郊外の物件は、その土地がいわくつきであることが周辺住民に知られていて売れにくいということがあります。
地域によっても価格への影響は異なるということを把握しておきましょう。
いわくつきといわれる理由が真実か噂かを確かめる
心理的瑕疵とされている内容が実際に起こったことなのかどうかを売却前にしっかり確認しておくことは大切です。
調べてみると、信憑性がない心霊現象や、根も葉もない噂だったという可能性もあります。
過去に起こったといわれる事件や事故を調査して、噂だけであれば価格を下げずに売却できるでしょう。
いわくつきといわれる根拠があるかどうか、今一度振り返って確認することをおすすめします。
いわくつきの土地の売却方法について
いわくつきの土地の売却をおこなっていて「なかなか買主が見つからない」「できるだけ短期間で売却したい」とお悩みの方に向けて、売却方法を解説します。
土地の売却は戦略を立てることが大切です。
いわくつきの土地の印象をすこしでも良くするためにできる対策を講じましょう。
売却方法①駐車場などで貸し出して瑕疵のイメージをなくす
土地を売却するときに、前の使用者がその土地で亡くなっていたり、事故や事件に巻き込まれていたりすると購入者からの印象が悪くなります。
しかし、一度駐車場や倉庫などで土地を利用した後だと、心理的瑕疵のイメージが薄まる可能性があります。
土地を使う側にとって、土地を買うか、借りるかでは、決断の重みが異なるので、駐車場の貸し出しであれば借主は現れやすいといえます。
そのような理由から、一度駐車場などで貸し出しをおこなってから売却を進める方法は効果的です。
早く売却したい方にとって、この方法は売却の時期が先延ばしになるため、遠回りだと思われるかもしれません。
しかし、すぐに売却を始めたとしても売却活動期間が長引く可能性があるので、結果的に早期売却に繋がるとも考えられます。
売却前に土地を貸し出して、それから売却するという方法を選択肢の1つとしてご検討ください。
売却方法②メリットをアピールして通常どおりの売却をおこなう
いわくつきの土地を売却する方法として、デメリット以上にメリットをアピールして売却する方法があります。
利便性が高いことや、商業施設や教育環境が整っていることなど、土地自体に魅力があれば高値で売却できる可能性があります。
土地の条件を整理して、アピールできる特徴を見直してみましょう。
いわくつきという点に注目してしまいがちですが、それ以外にメリットがあれば買主が見つかる可能性は充分にあります。
いわくつきの土地を売却するときの注意点について
最後に、いわくつきの土地を売却するときに気を付けるべき注意点について解説します。
あとからトラブルになることや損をすることを防ぐために、注意点を把握しておくと安心です。
注意点①告知義務を果たす
いわくつきの土地を売却するときに知っておきたい注意点の1つ目は、告知義務についてです。
不動産売買契約を締結する際に、売主は買主が契約を締結するかしないかの判断に重要な影響を及ぼす瑕疵について告知する義務があります。
心理的瑕疵がある土地は、内容によっては知っていたら契約しなかったという場合もあるでしょう。
売主が問題ないと思っていわなかったとしても、買主にとっては我慢できない心理的瑕疵の場合もあります。
大なり小なりいわくつきといわれる要因がある場合には、契約前に買主に隠さず伝えておくことが大切です。
心理的瑕疵があるにも関わらず告知せずに契約締結に至った場合、売主は契約不適合責任を問われる可能性があります。
契約に適合しないことが認められると、売買契約の解除や損害賠償請求など不利益を被ることもあるでしょう。
国土交通省は、人の死に関して「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を設けています。
このガイドラインは、過去の裁判の事例や一般的に妥当であると考えられる基準に準じてまとめられていますので参考にすると良いでしょう。
注意点②事前に売却価格相場を調査して価格を設定する
2つ目の注意点は、売却する予定の土地周辺の価格相場を調査して、妥当性を確認したうえで価格を設定することです。
マイナス要素があるからといって価格を下げて売却をスタートすることは、損をすることに繋がりかねません。
買主の心理としてはできるだけ低価格で土地を購入したいので、いわくつきということで値下げを要求してくるでしょう。
売却開始時点で周辺の価格相場より値下げしていると、結果的に大幅に売却価格が下がる可能性があります。
適切な価格で売却をスタートすることが大切です。
まとめ
いわくつきの土地の取引をおこなうときは、注意点に気を付けて、損をしないように売却方法を考えましょう。
ただし、高値で売却したいからといっていわくつきということを伏せて売ると、売却後に売主は買主から契約不適合責任を問われる可能性があります。
売却した後のトラブルを回避するためにも、告知義務についてしっかり把握しておきましょう。